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  卒業生レポート 2010.3.25  
 

込山 智之さん  
込山 智之さん
Tomoyuki Komiyama
レクレール 製菓研究課程
1990年 秋コース卒業
研修先: Pâtisserie COMBET
勤務先: Pâtisserie Petite-Pêche
プティトゥ・ペッシュ
住所: 大阪狭山市半田2丁目
364-1クオリティイハイツ田中1F
TEL: 072–366-5697
HP: http://www.petite-peche.com/



 
  スタートライン  
  南海高野線『金剛駅』から、昔ながらの古い民家の続く細道を抜けていくと広い道が開け、そこにひと際目を引く赤いファサードの「プティトゥ・ペッシュ」があります。この店のオーナー込山シェフは、フランス校卒業後も再渡仏して現地のお店で研修し、帰国後、神戸の有名ホテルで 巨匠 西原金蔵氏(PÂTISSERIE AU GRENIER D’OR オーナーシェフ) の教えを受けました。常に食べる側を意識し、妥協せず手間を惜しまない情熱をもってお菓子づくりに取り組んでいます。苺は和歌山の生産農家に出向いて完熟したものを自ら摘み取り、ジュレやカフェで出す紅茶には金剛山の湧水を使うほどのこだわりぶり。そんな地元の素材にこだわったフランス菓子を求めて、遠方から来店する客も多いそうです。 また、カフェでは自ら接客し、お菓子の説明をするなど、お客様との会話をごく自然に楽しんでいる姿に、培ってきた技術へのプライドと本当の美味しさを伝えたいという込山シェフの想いが感じられます。 ひたすら自分の信じる味を追い求める込山シェフに、フランス校時代を振り返っていただきコメントをいただきました。

Petite-Pêcheの外観  
すばらしい地元の食材を使って
私の地元は大阪府で唯一の村なのですが、その村で開店しても鹿や熊を相手に商売は できないので(笑)、隣接している狭山市に2004年7月「プティトゥ・ペッシュ」を開業しました。「地元の食材を使ったフランス菓子」がコンセプト。ここ南大阪や和歌山・紀北はすばらしい食材の宝庫です。その地元の食材を使ったお菓子作りが、私のフランス菓子の基本なんです。ちなみに店の名前は、「小さな桃」という意味で娘の名前「桃子」からとりました。



 
  『シーサイドホテル舞子ビラ』にて、
西原金蔵氏(前から4人目)、と林周平氏(モンプリュ オーナーシェフ 手前)に師事し、実に多くのことを学ぶ

人生の目標とする師との出会い
私にとって、辻の先輩でもある西原金蔵氏との出会いは、まさに人生の転機でした。今でも一番影響を受け続けている西原氏からは、考え方や理論、人生感など公私に渡り多くのことを教わりました。その中でも、「ルセットを超える」~料理はただ配合や手順を追ってできるものではない。基本を踏まえた上で創造し創作していくものだ~という精神は、しっかり受け継いでいきたいと思います。これは西原氏の師であるアラン・シャペル氏の言葉だそうです。人生の中で、尊敬し目標となる師にめぐり会えるというのは、本当に幸せなことだと思います。

当たり前のことの積み重ね
いつか自分の人生を振り返ったとき「この仕事をしてよかった」と思えるように、とにかく今を大事に、仕事をしています。製菓技術者としてだけではなく、ひとりの社会人としてプロ意識を常に持つこと、体調管理や私生活も含めて、当たり前のことを当たり前にこなしてゆくことが大切。 そう思って日々過ごしています。

       
地元の食材にこだわり、
手間を惜しまず自分の
信じる味を追求し続ける
店内
厨房から出て、常に客と向きあうことを心掛ける
カフェスペース
紅茶は金剛山の湧水を使う
というこだわりに、 遠方から
通う客がいる
人気の焼き菓子は、「いつ食べていただけるか分からないので、1つひとつの品質に責任を持てるようにしたい」
       
掛替えのないシャトー仲間達
フランス校製菓の同期では男性が4人だけでした。「シャルル・フレーデル(大阪府泉佐野市)」門前シェフや、「ラ・スプランドゥール(東京都大田区)」藤川シェフ達とは、今でも交流があり、常に刺激をもらっています。 彼らも含め、多感な時期にフランス校で特別な体験ができたことは、その後の自分の考え方や感性に影響がないなんてありえない。良いことやそうでないことも含めて、影響を受けていると実感しています。


 
多感な時期に、シャトー仲間と過ごした体験の全てが、 今に繋がっている  
今に繋がるスタージュ経験
特にスタージュから得られたものは、沢山あります。 私が派遣されたスタージュ先は、その年初めて日本人を受け入れたお店だったのですが、本当に親切にしていただきました。田舎のお店だったお陰で、いろいろな地元の食材に接することもできました。この経験が今の「プティトゥ・ペッシュ」のコンセプトに繋がっています。



 
  フランス留学の経験から、地元食材に目を向け、地元に根付いたお菓子作りを貫きたい
フランスで感じた日本との違い
フランスと日本の現場を体験して思うのは、それぞれによさがあるということ。製菓技術レベルはどちらも変わらないくらい高いものでした。ただ、日本の菓子職人は、小手先の技術に走りがちかなと思います。お菓子であれ、料理であれ、フランスのようにもっと自分の住んでいる地域に根ざした食材に目を向けるべきではないでしょうか。お菓子でも料理でも、地元に根付いていることが大切だと思います。


 
エコール 辻 大阪にて 製菓講習を担当(2008年7月1日)  
フランス校は「スタートライン」
フランス校は、学生生活においてはゴ-ルラインですが、これからの長いパティシエ人生においては、「スタートライン」です。フランス校では、楽しいことや辛いことも含めて、最後の学生生活を思いっきりエンジョイしてください。フランスでの経験の全てが将来に繋がります。そして帰国したら自分でゴ-ルライン=目標を定めることが大切です。みなさんもぜひ、すばらしいパティシエ人生のスタートを切ってください。

              
 
  * 「シーサイドホテル舞子ビラ」修行時代の写真は込山氏より、 フランス校時代の写真は門前氏より提供いただきました。  
 
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